花咲く公園、赤い札

4月13日。

 

この日は部活の花見だった。

 

 

 

主催は私と部長。

 

お菓子と酒、ジュースを買い込み、準備は万端。

 

桜咲く公園にレジャーシートを敷き、仲間を迎える。

 

風が吹く。桜が散る。紙コップの中に花びらが浮く。

 

風情。

 

新入部員と部員たちの会話。

 

酒で赤くなる顔。

 

留学生が作ってきた豚足。

 

満ち足りた、ように見える空間。

 

でも足りない。

 

スリルが。勝負の焼け付くような刺激が。

 

そこで持ってきた、赤い札を出す。

 

花札やるぞ〜!」

 

大きな声をあげると、挑戦者が集まってくる。

 

「初心者です」

 

「初めてやる〜」

 

うん。大丈夫。

 

全力で潰します。

 

安心して死ね。

 

と、いっても、そこまで私も無常ではない。

 

最初の数試合は全力でサポート。花札の楽しみを伝えます。

 

この札とこの札は植物が同じで〜、これは柳のカス札で〜、雨が入ってるから三光にならないからあと1枚いるのよ〜、あっ、タンができてるよ〜。

 

さて本試合。もう手加減はしませんよ。

 

華麗に決めます。月見でいっぱい。こいこい、青タン。

 

部長にボロ勝ちしたあと、立ちはだかるはそれを見ていた部員くん。

 

やったるぞ!と意気揚々。

 

よろしい、全力で取らせていただく。

 

さて、その試合結果は・・・

 

1月:流れ

2月:部員、青タンで上がり。5点

3月:わたし、カスで上がり。1点

4月:部員、カスで上がり。1点

5月:私、カスでこいこい、タンで上がり。4点

6月:流れ

 

部員くんが勝った。

 

いや、地味かい。

 

部員くんも四つん這いで項垂れながら「地味!!!!!!!!!!!」って叫んでた。

 

ま、そういう時もあるわな。

 

花札ではつい熱くなってしまう。

 

そんな勝負は「花見で一杯」やりながらやるのがちょうどいい。

 

はい、お後がよろしいようで。